“TATEKAWA BLOOD”立川志らく・談笑 二人会~江戸の風とイリュージョンのはざまに~

つれづれ

8月23日、池袋の東京芸術劇場プレイハウスで志らくと談笑の二人会を観てきた。

立川笑えもん(立川談笑の4番弟子) 演目「たらちね」

開口一番は、立川談笑の四番弟子の立川笑えもん。

始めは、何度も噛んでしまって、見ているこちらまで緊張が伝わってきて、落ち着かなかった。

話が進んでいくうちに、声の張りもどんどんよくなり、言葉が丁寧すぎるお嫁さんのキャラクターも上手に表現で来ていて、こちらもリラックスして楽しむことができた。

「たらちね」のあらすじ

人はいいがぶっきらぼうな独身男の八五郎に、長屋の大家さんが縁談を持ち込む。
貧乏な八五郎には驚くほど条件の良い縁談で、何か裏があるのでは?と訝しむ八五郎に、大家が打ち明けるには、言葉が丁寧すぎるという問題があるという。
言葉が丁寧すぎるなんて何の問題でもないと、縁談を進めてもらう。
さてさて、一緒に暮らし始めると、言葉が丁寧すぎて会話もままならない・・・という滑稽話。

花嫁の丁寧すぎる台詞は、本当に何を言っているか分からず、これがまた面白さを増す。

オチが、さらりと来てしまって、何を言ったのか分からなかったが、よい感じで場が温まる前座だった。

オチを調べてみた

花嫁の「~恐惶謹言(きょうこうきんげん)」に対し、八五郎が「~朝飯で恐惶謹言?なら酒を飲んだら、よってくだんのごとしかい」がオチ。
どちらも、「恐惶謹言」も「よってくだんのごとし(依って件のごとし)」文書の末尾に書く言葉。
この「依って」の部分を「酔って」にかけたところが面白いところなんでしょうね。

立川談笑 演目「千早ふる変形A~やかん~」

高座に上がって、談笑さんが話始めると場の雰囲気が変わっていく、さすがだ。

そして、聞いているこちらがドキッとするいじりをするのも、立川流なのか、ドキドキしているうちに本題へと入っていく。

談笑さんが話し始めた落語が、どうも私の知っているのとは違うぞ?と違和感を感じながらも、どんどんと話のうまさに引き込まれていく。

演目に変形Aと書いてある意味が、これは、談笑さんによる古典落語の「千早ふる」の改作という意味らしい。

とても聞きやすく、落語が初めてという人にもとっつきやすいのでは?と思った。

古典落語「千早ふる」のあらすじ

ご隠居のところに、百人一首の「千早振る 神代もきかず竜田川 唐紅に 水くくるとは」の和歌の意味を聞きに来た男に、ご隠居は適当な作り話をしていく。
竜田川は、相撲取りの名前だ、などなど。
見事なまでのこじつけと、知ったかぶりが面白い。

トーク

幕間が明けて、壇上に志らく・談笑と見知らぬ2人の合計4人がいて少し驚いた。

見知らぬ2人は、松岡ゆみこさんと松岡慎太郎さんで、立川談志さんのお子さんだそうだ。

まず、松岡ゆみこさんが、ジャニーズ問題について、「こんなこと言っていいの?」の切り口で話始めて、私は度肝を抜かれた。

立川談志さんの娘さんと分かってからは、なるほど、立川イズムを貫いて話をしてくれてるのだと理解できたけど、聞いてて冷や冷やする内容が多く、笑っていいのか分からなかった。

娘、息子の視点からと、弟子から見た立川談志の話題もあり、近しい人だからこそ知る立川談志を、ほんの少しうかがい知ることもできて、面白いトークだったような気もする。

立川志らく 演目「抜け雀」

毒気多めのトークで時間が押したせいか、するするっと本題に入っていった感のある、志らくさんの「抜け雀」。

お客さんが好みそうな場面は、力強く演じ、それにつられてお客さんも大笑いし、何度も何度も会場が笑いに包まれていた。

「さすが志らくさんだな~」と感心しながら聞いていた。

「抜け雀」あらすじ

小田原宿に現れた汚い身なりをした男に、夫婦二人だけで切り盛りする旅籠屋の主人が声をかける。
男は、「泊ってやってもよい、しかも酒は朝晩一升飲む、前金で百両を払う」という。
上客を捕まえたとほくそ笑む主人だが、男は朝から晩まで酒を飲んでは寝るだけで、10日が経つ。
どうも怪しいと清算を求めに行くが、金はないと言い切られる。
男は、金を払う代わりに絵をかいてやると、つい立てに雀の絵を描くと、不思議なことが起こる。

抜け雀は、分かりやすい演目で、好きな話のはずだったのが、オチの意味が分かっていなかったことに気づいた。

「親不孝をした、~親をかごかきにした」で終わるのだが、何にかかっているのかが全く分からなかった。

オチを調べてみた

「親をかごかきにしてしまった」は、昔の職業の「駕籠かき」と掛けてある。
なぜ、それが親不孝なのかというと、駕籠かきは、重労働でアウトローな人が就くことが多い少々嫌われる職業だから、だそうだ。

感想

生で聞く落語はいいですね~。

笑いが笑いを誘う臨場感。

最初から最後まで、聞く側のこちらも真剣勝負。

いつも素敵な会に誘ってくれる友人に感謝!

プロフィール

管理人
いとこ

50代のズボラを自覚する主婦です。
人生の折り返し地点を過ぎて、wordpressでのblogに挑戦。
美味しいもの、健康的なもの、手作り、に心惹かれます!

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