近所の楽しい豆腐屋さん

北区に引っ越して、半年近くが過ぎ、お気に入りのお店も少しずつ増えてできた。

自転車で10分ほど走ると、昔ながらの小さな商店街があり、銭湯、八百屋さん、魚屋さんなどなど、昔からやっているであろう店がちらほら見受けられる。

魚屋さんは、夕方近くになると、店頭でイカを焼き始める。

イカの焼けた香りと、それに絡める醤油ダレのこげた匂いがたまらない！

試しに買ってみると、これがまた、イカの良さを存分に生かした絶妙な柔らかさ。

タレも少し醤油を勝たせた甘辛で、ビールが進む。

商店街の中でも一番のお気に入りがお豆腐屋さん。

そこのご主人がとてもいいキャラクターで、お話しするのが楽しい。

豆腐の種類は、絹、綿、寄せがある。

初めて訪れた際は、どれにしようか迷って、80代くらいのご主人に、

「どれがオススメですか？」

と聞いてみた。

すると、少し怖い顔をして、

「どれって、どれもうまいからオススメは全部だよ〜！」

と言って、にかっと笑った。

「うちの豆腐は、大豆がたっぷり使ってあるから、味が濃くてうまいよ！愛情は込めてないけどね！」

と、またニヤリと笑う。

もう、ノックダウンされてしまった。

その日は、寄せ豆腐を買って帰った。

ご主人の言うとおり、味が濃ゆい！

しかも少し苦味がある大人の味だった！

それから、何度か通っているが、独特な話術で毎回楽しませてくれている。

そして、豆腐屋のご主人が、愛情を込めているものが、梅干しだと判明した！

店の奥から梅干しの瓶を持ってきて、

「これ、愛情込めた可愛い梅。一粒80円で売ってるよ♪」

と、今まで見たことない可愛らしい顔で笑った。

豆腐屋さんが愛情込めて作る梅干しに興味が湧き、買ってみた。

酸っぱい！塩辛い！

減塩ブームに逆行するかのように、塩分13%。

昔懐かしい梅干しの味。

箸で持つと、皮が破れてしまうほど柔らかい。

愛情の賜物だわ〜！

近所探索はまだまだ続く。